もっと!どこでも補助犬同伴ミニブック~職場~

補助犬とユーザーはどこでも一緒
〇補助犬とは補助犬は盲導犬・介助犬・聴導犬の総称です。
・盲導犬 目の不自由な人の安全な歩行をサポート
【イラスト】盲導犬ユーザーと盲導犬 
胴に白、または、黄色のハーネス着用
・介助犬 体が不自由な人の日常生活をサポート
【イラスト】介助犬ユーザーと介助犬
介助犬の表示の入った胴着着用
・聴導犬 耳が不自由な人の必要な生活音をサポート
【イラスト】聴導犬ユーザーと聴導犬
聴導犬の表示の入った胴着着用

〇補助犬同伴の受け入れ義務
補助犬を同伴しての利用を拒否してはいけません。身体障害者補助犬法・障害者差別解消法で定められています。
・国や自治体が管理する施設
・電車、バスなどの公共交通機関
・ホテルやレストラン、デパートなど不特定多数が利用する民間施設
・一定規模以上の事業所(「障害者の雇用の促進等に関する法律」の規定に基づく法定雇用率による)

〇なくそう! 補助犬への先入観や誤解
実際の受け入れで、他の利用者からの苦情はほとんどありません。苦情の内容は補助犬の問題ではなく従業員の理解不足による対応の不備が多くなっています。
Q . 他の利用者から苦情をうけたことがありますか?
【円グラフ】ショッピングセンター(苦情を受けたことが)ない:83% ホテル(苦情を受けたことが)ない:77% 飲食店(苦情を受けたことが)ない:93% (出典:身体障害者補助犬の普及・啓発のあり方に関する調査研究報告書 令和2年3月)

障害のある人の社会参加を支える補助犬
〇身体障害者補助犬法が定める3つの義務
身体障害者補助犬法には3つの柱があり、訓練事業者には質の高い補助犬の育成と指導、補助犬法に基づいて認定を受けたユーザーには補助犬の健康・衛生管理と周囲に迷惑をかけない行動管理、社会には補助犬同伴の受け入れを義務付けています。
質の高い補助犬の育成 【イラスト】トレーニングしている犬とトレーナー 訓練事業者 ↔ 健康・衛生・行動管理 【イラスト】介助犬ユーザーと介助犬 補助犬とユーザー ↔ 同伴の受け入れ 【イラスト】補助犬ユーザーの周囲を社会の人が取り巻いている 社会

〇障害のある人もない人もお互いに尊重し合いながら共生できる社会とは
・補助犬を同伴する障害のある人が安心して行動できる社会
・補助犬の存在を安心して受け入れられる社会

〇補助犬にまつわる法律の理解とコンプライアンスの重要性
・身体障害者補助犬法とは
公共交通機関、お店や病院など不特定多数の人が利用する施設や一定規模以上の事業所などで、補助犬同伴の受け入れをスムーズに行い、身体に障害のある人の自立と社会参加を促進することを目的として定められた法律です。
!一般の人が利用できる施設等への補助犬同伴の受け入れを求めています。
・障害者差別解消法とは
障害のある人もない人も、お互いに、その人らしさを認め合いながら、ともに生きる社会を作ることを目的とした法律。国・地方公共団体・事業者に対して、「不当な差別的取扱いの禁止」と「合理的配慮」の提供を求めています。
!補助犬の同伴を理由に受け入れを拒否することは、不当な差別にあたります。

認定をクリアした補助犬とユーザー
〇補助犬の安全と安心を担保するシステム
ユーザーと補助犬のペアで能力が認められて、初めて社会参加が可能に
・補助犬:社会で他人に迷惑をかけず、適切な行動をとれる
・補助犬ユーザー:補助犬の健康・衛生・行動面を管理できる
【イラスト】携帯をユーザーに渡す介助犬

国や自治体による社会の受け入れ義務の啓発
【図】国・自治体→(社会の受け入れ義務(受け入れ努力義務))→公共交通機関・レストラン・民間施設・企業等

〇補助犬ユーザーの義務
補助犬ユーザーには補助犬の健康・衛生管理および行動管理が義務付けられています。
・健康管理:予防接種、定期康診断など 【イラスト】獣医師に診察されている補助犬・衛生管理:ブラッシング、シャンプー、抜け毛予防など【イラスト】補助犬のブラッシングをするユーザー・行動管理:適切な場所で指示による排泄、咬まない、吠えないなど【イラスト】ペットシーツの上で排泄する補助犬

補助犬ユーザーと補助犬への対応
〇認定基準を満たしたユーザーと補助犬のしるし
補助犬の表示と認定証などの携帯はユーザーの義務となっています。
【写真】ハーネスをつけた盲導犬、介助犬とユーザー、介助犬の表示、身体障害者補助犬認定証、盲導犬使用者証、身体障害者補助犬健康管理手帳
!ハーネスや表示の入った胴着が目印 身体障害者補助犬法では、補助犬の表示の義務と、補助犬ユーザーには認定証(盲導犬ユーザーは使用者証)の携帯を義務付けています。補助犬かどうかの確認が必要な場合は、「認定証を確認させていただけますか?」と声をかけましょう。

〇補助犬と補助犬ユーザーへのサポート
・補助犬への接し方
補助犬が作業に集中できるよう(落ち着いて待機できるよう)、食べ物を与えたりむやみに触ったりするなど、気をひく行為は避けましょう。
・補助犬ユーザーへの対応
お困りの様子が見られたらユーザー本人に「何かお手伝いしましょうか」「どのようにお手伝いすればよろしいですか」などの声かけや筆談でコミュニケーションをとりましょう。

不慣れな場所への誘導【イラスト】盲導犬ユーザーに肘を貸して誘導する様子。
乗り越えられない段差の介助【イラスト】介助犬ユーザーの車いすを押して段差を乗り越える様子
館内放送や電車内のアナウンスの伝達【イラスト】筆談をしながら、口をはっきり開けて聴導犬ユーザーに話しかけている様子。

〇職場における補助犬の同伴
補助犬は適切に健康・衛生管理(感染症予防)がなされており、補助犬ユーザーがきちんと行動管理をしていますので、職場内で、他の従業員等に迷惑をかけるようなことはありません。補助犬のことを知って前向きな受け入れを。1日のうち長い時間を過ごすことになる職場では、補助犬ユーザーも職場の仲間も快適に過ごすことができる工夫があると良いでしょう。また、複数のテナントが入居するビルの場合は、施設管理会社や他の企業を含めて補助犬や補助犬ユーザーのことを正しく理解してもらうことが大切です。
【イラスト】介助犬ユーザーが机に向かってパソコン作業をしている様子。介助犬は足元で寝ている。

Qユーザーが仕事をしている間、誰が補助犬の面倒をみるの?
補助犬の管理は基本的に補助犬ユーザー自身が行います。そのため、基本的に補助犬に対して求められる特別な対応はありません。ただし、障害の内容によっては、サポートが必要になる場合があります。サポートの内容については、補助犬使用者と相談していただけますと幸いです。
【イラスト】机で書類整理をしているユーザー。後ろに置いてあるケージの中で聴導犬が伏せている。
Q自社ビルではないので補助犬の受け入れを判断できないのだが…。
不特定多数が利用する民間施設や一定規模以上の事業所では補助犬同伴の受け入れが義務付けられていることをビルオーナーや管理会社に伝えましょう。うまく伝えられない場合は、補助犬同伴に関するパンフレットを使用したり、行政の補助犬法担当窓口や専門機関に相談しても良いでしょう。
【イラスト】他の従業員と一緒にエレベーターを待つ聴導犬ユーザー。
Q特別な改修工事や設備が必要?
補助犬の同伴のために、特別な改修の必要はありません。一方で、障害のある方に適した設備になっているのか確認が必要です。例えば、車椅子を使用している場合、「段差がない」または「スロープがある」などを希望することもあるでしょう。しかし、ニーズは人それぞれです。どのようなニーズがあるか、本人に聞いてみるとよいでしょう。
【イラスト】盲導犬、介助犬、聴導犬
Q他の従業員とトラブルにならないようにするにはどうしたらよいか?
他の従業員への事前の説明と確認がポイントです。補助犬は吠えたり、暴れたりしないこと、衛生管理が徹底されていることなど、補助犬の正しい情報を従業員に周知します。その上で、何か不安がないかを事前に確認するとよいでしょう。
【イラスト】マッサージ台に横になる人のマッサージをしているユーザー。後ろにあるマットの上で盲導犬が寝ている。
〇すべての人が安心して職場で働くために
ユーザーの声:介助犬を同伴することが決まってからは、介助犬が待機するための机(スペース)も用意して頂き、席替えなどがある時は、広めのスペースや通り道にならない場所など、介助犬と車椅子を使用する私のことを考えてくれます。

〇他の従業員への対応 ─トラブルを防ぐために
補助犬の同伴に対する方針の明示、日ごろから理解を求める
・補助犬同伴の受け入れは障害のある人の生活を守るための権利保障であること
・補助犬は適切な管理をなされた犬であり、安心して受け入れられること
お互いを理解し合う精神/話しやすい関係を作る
補助犬の同伴を受け入れる際に不安や気になることがあったら、ユーザーにそれを説明し、お互いが納得のいく方法を見いだしましょう。

〇補助犬ユーザー受け入れガイドブック 職場編 より詳しい情報(対応・受入れ事例)はガイドブックをご覧ください。QRコード

〇受け入れを円滑にするためのチェックリスト
【補助犬と補助犬ユーザーに関する知識の習得】
□法令順守(コンプライアンス):補助犬法と障害者差別解消法
□補助犬と生活する補助犬ユーザー
□補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)の役割
□補助犬の安全性(衛生、健康、行動)
□補助犬とペットの違い
□障害に合わせた接遇
【施設内のバリアフリーと設備】
□施設内のバリア(段差や障害物など)の把握
□施設のスペース(通路の幅など)や設備の把握
□補助犬の排泄場所の検討
【スタッフ教育】
□補助犬ユーザーと補助犬に関する基本情報の案内(教育資料の配布)
□補助犬ユーザー、障害のある人の接遇に関する教育
【職場(建物)に出入りする関係者(来客、他の企業など)への啓発】
□補助犬啓発ステッカーの貼付
□周知資料の準備(厚生労働省リーフレット「もっと知ってほじょ犬」)

〇ほじょ犬マーク
身体障害者補助犬法の啓発のためのマークです。身体障害者補助犬とは、盲導犬、介助犬、聴導犬のことを言います。「身体障害者補助犬法」において、公共の施設や交通機関はもちろん、デパートやスーパー、ホテル、レストランなどの民間施設は、身体障害のある人が身体障害者補助犬を同伴するのを受け入れる義務があります。補助犬同伴受け入れに向けた啓発のためのステッカーやハンドブックは、下記、補助犬担当窓口で配布しています。

〇補助犬に関する詳しい情報
補助犬に関する関係法令やガイドブックなどのより詳しい情報をお知りになりたい方は、厚生労働省ウェブサイト内「身体障害者補助犬」のページをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/hojoken/index.html QRコード

〇補助犬に関する相談・お問合せ先
補助犬同伴受け入れでトラブルが起こった場合の報告・相談窓口は、各都道府県・政令指定都市・中核市の障害福祉担当課へご連絡ください。都道府県身体障害者補助犬法担当窓口一覧
https://www.mhlw.go.jp/content/000465967.pdf QRコード
事業者用補助犬ユーザーの受け入れ方(日本補助犬情報センター動画) QRコード  
イラスト:NPO法人MAMIE

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