日本身体障害者補助犬学会


第2回学術大会の終了報告

池本 卯典
(日本獣医生命科学大学 学長・自治医科大学 名誉教授)

第2回身体障害者補助犬学会 学術大会
−人を看る・犬を診る・犬を育てる・共に生きる−

平成19年6月23日・24日の2日間、前記をテーマに開催した身体障害者補助犬学会・第2回学術大会を恙無く幕を降ろすことが出来ました。学会員の皆様、参加して下さった応援団の皆様に心からお礼を申し上げます。
第2回大会の企画は、日本獣医生命科学大学 福所教授と獣医保健看護学科の教員と学生、日本介助犬アカデミー高柳専務理事と職員をプロモーターに、数回の委員会を経て構成されました。その御苦労に厚くお礼申し上げます。

基調講演

学会長 竹前先生の教育指定講義をはじめ、学会の長老・高柳先生の基調講演、厚生労働省・手倉森氏の特別講演、教育セッションでは高柳理事による補助犬の意義を端緒に、盲導犬・介助犬・聴導犬の現状が報告され、シンポジウムは高柳理事・福所教授の司会で、補助犬使用者の清水・木村両氏、日本盲導犬協会の金井氏による補助犬の受入れの実態などが報告されました。

教育講演1

教育講演1は予定していたLu Picard 先生の来日は不可能になりましたが、同じEast Coast Assistance Dog Incから訓練教員の小池由夏さんが急遽代講され、アメリカの補助犬事情を説明して下さいました。

教育講演2

教育講演2は、学会を担当した日獣医大の池本が補助犬専門職の未来、そのScienceとArtと題して報告し、その責任を果たさせて頂きました。

学会発表

学会で最も大切な口演は、医療部門を横浜市大医学部・佐鹿教授の司会により、人の眼科領域について、学会の先達である高柳泰世先生、盲導犬ハーネスの改良について、横浜リハセンターの飯島氏、東北地方の盲導犬需要について、日本盲導犬協会の菅原氏、介助犬の使用実態について、高柳理事が報告されました。
また、獣医学分野の外科領域は、日獣医大の水越氏の司会で始まり、盲導犬の白内障について、日本盲導犬協会の安田氏、犬の股関節のX線評価について、麻布大の本阿彌氏、肘関節異形成症の疫学について、麻布大の福永氏、犬のデンタルケアについて、日本盲導犬協会盲導犬訓練士学校の川本氏らの報告がありました。

なお、内科領域は日本盲導犬総合センター浦川氏による司会で始まり、盲導犬適性の早期判断について、日獣医大の水越氏、流煙曝露と抗酸化サプリメントの有用性について、日獣医大の左向教授、犬の脱毛について、日本盲導犬協会訓練士学校の山田氏、凍結及び新鮮精子を用いた人工受精について、北海道盲導犬協会の諏訪氏らの報告がありました。
紙面の都合もあり詳細な内容紹介を省略しますが、いずれも有意義な口演であり、参加者の共感は得られたと思います。

さらに、ポスターによる報告も10件に及び、盲導犬の歯科領域、爪の手入れ法、盲導犬の繁殖に必要な犬の頭数、色覚、犬舎内の友達作り、体重管理、犬舎の床材、犬の学習、毛色と体重の関係、盲導犬の健康管理などについて、示唆に富む報告がありました。特に日本盲導犬協会訓練士学校の活躍が目立つポスターセッションでありました。今後も期待して止みません。

派手で華やかではありませんが、新装したばかりの日本獣医生命科学大学教育棟を舞台に、述べ300名の参加者によって展開された学会は、女性の参加者が多く、この領域の将来は『女性専門職の桧舞台』を予測させる学会でもありました。1日目の夕刻にはカフェテラス「むらさき」において懇親会が催され、多数の学会員で賑わい、第3回の再開を約束しながら名残惜しく散会いたしました。主催責任者としては、日本医科大学の諸会議と重複したこともあり、不行届きを深くお詫び致します。いずれにしても第2回学術大会の運営に努力して頂き、成功に導いて下さった福所教授と高柳理事及び支援関係者の皆様に重ねて御礼を申し上げ学会報告と致します。

お問い合わせ先

日本身体障害者補助犬学会事務局(財団法人日本盲導犬協会東京本部内)
〒150-0045 東京都渋谷区神泉町21-3-3F
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