日本身体障害者補助犬学会(JSSDR)とは?Japanese Society of Service Dog Research

世界初の補助犬に関する学術団体 日本身体障害者補助犬学会が発足

補助犬の学術的研究によって、身体障害者の自立と社会参加を推進する補助犬の普及発展を願う学識経験者が集まり、日本身体障害者補助犬学会(理事長:竹前栄治(盲導犬使用者、東京経済大学名誉教授))を2005年9月1日に設立いたしました。

身体障害者補助犬は視覚障害者、聴覚障害者、肢体不自由者にとって自立と社会参加のための有効な手段の1つです。

2002年に身体障害者補助犬法が成立、施行され、補助犬の普及に対する取り組みも進んできてはいますが、効率的育成および社会的認知についての課題も存在するのが現状です。

補助犬の普及発展には、幅広い分野からの調査研究による学術的な取り組みが欠かすことができません。しかしながら、補助犬の先進国といわれる欧米諸国でも、学術的取り組みが多く存在するわけではなく、研究発表の場も十分とは言えません。そのような中、わが国の厚生労働省科学研究として医学・獣医学・法学・社会福祉学等の分野において補助犬に関する調査研究が行われてきたことは、誇らしいことだと考えられます。

そこで、さらなる補助犬分野の学術的発展を推進するために、補助犬法施行3年後の見直しの時期を迎える年に補助犬の普及発展を願う学識経験者が集まり、世界初の学会を設立する運びとなりました。

15年の学会活動を経て2020年9月に任意団体から一般社団法人として生まれ変わりました。更なる補助犬界の学術的発展のために尽力する所存です。

一般社団法人日本身体障害者補助犬学会 設立趣意書

身体障害者補助犬は、視覚障害者・聴覚障害者・肢体不自由者にとって自立と社会参加のための有効な手段のひとつであり、2002 年(平成 14 年)に補助犬使用者にとっては悲願の法律ともいえる身体障害者補助犬法が施行されました。補助犬との社会参加は保障されましたが、補助犬の普及発展には、幅広い分野からの調査研究による学術的な取り組みが欠かせません。

しかしながら、補助犬の先進国といわれる欧米諸国でも、学術的取り組みは進歩しているとは言い難く、研究発表の場も十分とは言えない状況でした。一方わが国では、補助犬法施行当時から厚生労働省科学研究として医学・獣医学・法学・社会福祉学等の分野において補助犬に関する調査研究が行われていたことは、まことに誇らしいことでした。そのような中、さらなる補助犬に関する学術的発展を推進するために、身体障害者補助犬法施行 3 年後の見直しの時期を迎える年に、補助犬の普及発展を願う関係各方面の学識経験者が集まり、世界初の盲導犬・聴導犬・介助犬を網羅する学術団体を設立する運びとなりました。

任意団体としての学会設立以来これまでに、補助犬に関する学術研究会・シンポジウムを開催し、関係各方面から多くの学術的成果を発表して頂くとともに、学会誌「日本補助犬科学研究」を発行し、補助犬の啓発事業として補助犬デモンストレーションなども実施して補助犬の普及発展に寄与するべく事業を進めてきました。

さて昨今の補助犬を取り巻く現状を見ますに、いまだ毎年のように補助犬受け入れ拒否の報告が相次いでおり、飲食店や交通機関のみならず医療機関においても補助犬に対する社会的認知は十分とは言えません。さらに補助犬の実働頭数についても伸び悩んでおり、適応となる障害者への紹介や補助犬の効率的育成についても課題が山積しています。

学会の設立から 15 年を経た今、身体障害者の社会参加をさらに推し進めるべく、補助犬のさらなる普及と発展を願って、これまで任意団体として活動してきた日本身体障害者補助犬学会を、新たに法人格を得た組織に改め、一般社団法人日本身体障害者補助犬学会として身体障害者補助犬の学術的研究をさらに推し進め、より一層の学術的発展に取り組むべく、設立時の思いを継承し、補助犬の普及発展への思いを新たにして、関係各方面の皆さま方のご理解とご協力を得て鋭意事業に取り組んでいく所存です。

2020 年 9 月 27 日
一般社団法人日本身体障害者補助犬学会設立発起人一同

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